2009年10月26日
全日本ロードレース選手権第6戦
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レースを引っ張るも最後に転倒
最終戦に逆転チャンピオンを賭ける

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2009年MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第6戦
スーパーバイクレースin もてぎ
10月18日(日) 栃木県・ツインリンクもてぎ(フルコース:4.801km)
天気 予選日:晴れ:/決勝日:晴れ
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GP125(マシン:ホンダRS125R)
ゼッケン3尾野弘樹 予選14位 決勝10位
ゼッケン26権藤俊光 予選9位 決勝9位
JSB1000(マシン:ホンダCBR1000RR)
ゼッケン36浜口俊之 予選22位 決勝12位

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 全日本ロードレース選手権第6戦が栃木県・ツインリンクもてぎで行われた。今シーズンはこのレースを含めて残り2戦。前戦でランキングトップに浮上した尾野弘樹にとって、年間チャンピオン獲得は現実味を帯びてきた。しかし油断は禁物。ライバルのマークは一段と厳しくなっており、チームはこれまで以上に気を引き締めてもてぎの地に乗り込んだ。
 ここ2戦で連続2位となっている尾野にとって、前戦から2週間という短い期間でもてぎのレースが開催されることは、勢いをそのまま保てるという意味で有利だった。ただ事前テストが雨続きだったためにドライとなった金曜の練習走行ではセッティングを十分に詰めることができずに終わった。それでも上位のタイムをマークしていたことは、尾野の好調ぶりを示している。また後半戦からエジンンキットを装着したチームメイトの権藤俊光も同様の理由でマシンセッティングを外したが、セッティングの方向性が見えたことは収穫だった。
 土曜の予選は40分の1本勝負で行われた。金曜の結果を踏まえ、尾野はチームと相談の上、セッティングを別の方向へ振ったが、これが成功。予選開始早々に転倒を喫したものの、その後は積極的に予選を展開し、リーダーボードのトップに名を連ねた。そしてラストアタックでは2分1秒993をマークして全日本初のポールポジションを獲得。ライバルたちに強烈な先制パンチを浴びせた。権藤はセッティングを十分に詰めるまでには至らなかったが、終盤のアタックで12番手となり、前戦に続いてシングルフィニッシュの見える位置につけた。
 また、負傷欠場の続いていたJSB1000クラスの桐井有希は今回も参戦を断念したが、チームは代役として元アジア選手権チャンピオンの浜口俊之を起用。全日本JSBでの経験も豊富な浜口だったが、バトルファクトリーのマシンを走らせるのは今回が初めてとあって、金曜の練習走行で転倒を喫して左足を負傷してしまった。そして負傷を押して土曜の予選となったが、ノックアウト方式の第2セッション進出を果たし、22番グリッドから決勝に挑むことになった。
 明けて日曜。尾野は朝のフリー走行でもトップタイムをマークし、好調をアピールした。そして迎えた決勝。ポールスタートの尾野は抜群のクラッチミートを見せてホールショットを奪い、スタートからレースを引っ張る。このままぶっちぎりを狙った尾野だったが、尾野のマシンは思ったよりトップスピードが伸びず、タイトル争い上で最大のライバルである菊池寛幸が尾野を逃がすまいと背後食らいつく。そして序盤から熾烈なトップ争いが始まった。若さを武器とする尾野はアグレッシブに攻め、先頭でトップ争いを引っ張る。一方、老練な菊池は尾野の背後から隙をうかがう作戦だ。尾野は何度も引き離しを狙うが、トップスピードが伸びずに菊池の追従を許してしまう。以前、バトルファクトリーの先輩後輩同士だった2人のトップ争いは、チャンピオン争いの直接対決であり、サーキット全体を盛り上げる。一方で2人が争う間に後方から3人のライダーが追いつき、トップ争いは5台にふくらんで最終ラップを迎えた。ここで3位に後退していた尾野が最初に動く。1コーナーの進入で一気に前を行く2台のインへと飛び込んだのだ。これはクロスラインで勇み足に終わるが尾野は諦めない。トップスピードの関係からバックストレートエンドでの勝負が難しいと判断した尾野は、バックストレート手前のヘアピンで再び仕掛ける。これで一瞬はトップに返り咲いた尾野だったが、勢い余ってアウト側に膨らみ、逆に5位まで順位を落としてしまう。それでも尾野は諦めず、バックストレートエンドの90度コーナーで最後の大逆転を狙った。しかし、やや強引すぎた仕掛けは痛恨の転倒を招く! 幸いライダーとマシンのダメージは小さく、レースに復帰した尾野は10位でゴールへたどりついた。 最後の仕掛けは失敗に終わったが、尾野はトップ争いの中で最もアグレッシブに攻めた。その積極性は評価したい。前述の通り尾野の好調さはライバルの間でも群を抜いており、それが3位にとどまることを許さなかったということだろう。
 一方、権藤はまずまずのスタートを切って予選順位と変わらず12位でオープニングラップを終了し、前方で2台が脱落したことにより2つポジションを上げて単独のまま10位で周回を重ねていく。最終ラップに尾野が転倒したことで9位に浮上してレースをフィニッシュ。2戦連続のシングルフィニッシュを成し遂げた。
 JSBクラスは、途中で赤旗中断をはさむ2ヒート制のレースとなった。浜口は後方から追突されて転倒するアクシデントに見舞われたが、バイクを起こしてレースに復帰し、波乱続きのレースを12位でフィニッシュして見事に9ポイントを獲得した。
 残るレースはあと1戦。GP125の尾野はランキング2位に後退し、代わってポイントリーダーとなった菊池に7ポイントのビハインドを背負って最後の決戦に臨む。もちろん狙うは逆転チャンピオンだ。最終戦はチームの地元鈴鹿で行われる。バトルファクトリーは地元パワーを最大限に生かしてチーム全員で尾野のタイトル獲得をサポートします! 


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