2009年9月1日
全日本ロードレース選手権第4戦
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尾野弘樹がトップ争いの末、2位
自らの速さを存分にアピール
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2009年MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第4戦
スーパーバイクレースin SUGO
8月30日(日) 宮城県・スポーツランドSUGO(フルコース:3,703km)
天気 予選日:曇りのち雨:/決勝日:曇りのち雨
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GP125(マシン:ホンダRS125R)
ゼッケン3尾野弘樹 予選5位 決勝2位
ゼッケン50尾野郡司 予選22位 決勝18位
ゼッケン26権藤俊光 予選タイム計測できず

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 全日本ロードレース選手権は約3ヶ月のインターバルを終え、宮城県・スポーツランドSUGOで後半戦を迎えた。後半戦ではバトルファクトリーのエースに成長した尾野弘樹のチャンピオンがかかっており、非常に重要なシーズンだ。もちろんチームもタイトル獲得を全力でバックアップする。前戦で全日本初優勝を達成した尾野弘樹も「今年はチャンピオンを取る」と公言しており、夏の間も精力的に努力を続けていた。
 しかし、その熱意が強すぎたのか7月中旬に鈴鹿サーキットでの練習走行の際に転倒して足のくるぶしを骨折してしまい、しばらく治療に専念していた。そのため再びサーキットを走り出したのは全日本SUGOのレース1週間前で、この時は前日にギプスを外したばかりで体の慣らしに終始した。尾野郡司、権藤俊光らは今年に入ってから好調で、特に権藤は今年、SUGOのエリア戦で2戦2勝の成績を残しており、全日本SUGOでの好成績に照準を合わせていた。
 レースウィークの週末は天気の行方が危ぶまれていた。そんな中、金曜の練習走行ではパドックを驚かす出来事が起きた。権藤が午前中2番手、午後4番手で総合4位のタイムをマークしたのだ。これは権藤とチームが3年間に積み重ねてきた努力が実りつつある証明でもある。尾野弘樹は負傷の影響で走りに違和感を抱いており、本来の走りができずにマシンセッティングも今1つまとめきれなかった。尾野郡司は予選に向けてまずまずの走りを見せた。
 土曜の予選は40分間の1本勝負で行われた。GP125は早朝の8時50分から始まったが、その直後にアクシデントが発生した。ピットを離れた権藤が直後の1コーナーで転倒したのだ。原因はエンジンの焼き付きで、コースオフィシャルに再スタートを制止されたため権藤は1周もできずに予選を終える。
 尾野弘樹は出だしから好調で、セッション序盤から何度もリーダーボードのトップに立った。この間に雨がポツポツと来ていたが、更なるタイムアップを狙ってニュータイヤを装着し、ピットを離れたところで雨が本降りとなってしまい、タイムアタックは不発に終わった。この結果、尾野弘樹は予選5位となった。尾野郡司はドライ時のタイムで予選22位。一方で権藤は1周もできなかったため無念の予選不通過となった。前日の出来から考えれば、まさに天国と地獄といったところで本人も悔しさを隠さなかった。
 決勝日も曇天だったが、朝のウォームアップ走行はドライで行われた。まだドライでのセットが十分に出ていなかった尾野弘樹は、この走行で足回りに好ましくない症状が出ていたことを確認。セッション終了後に尾野弘樹から説明を受けたチームは、決勝までにサスペンションセッティングの変更を決断した。
 決勝が始まり、スタートで少し遅れた尾野弘樹は2ポジションダウンの7位でオープニングラップを通過した。そして先頭を行くバトルファクトリーOBの菊池寛幸が逃げかけているのを見ると、逃がすまいと2周目から追撃を開始した。決勝前にチームが行ったセット変更が功を奏し、尾野弘樹は1周につき1台の割合でライバルをパスして6周目に2位へ浮上。そのまま菊池の背後へ迫っていく。そして菊池の背後に張り付いた11周目、バックストレートで菊池がスローダウンし、尾野弘樹がトップに立った。
 ここから尾野弘樹と、駆け出し時代にバトルファクトリーで研鑽を積んだ徳留真紀とのトップ争いとなった。バックストレートで一旦は徳留が前に出たが、その後はピタリと尾野弘樹の背後に付ける戦術に出た。尾野はそのままレースを引っ張り、最終ラップへと突入した。「必ずどこかで仕掛けて来る」と踏んでいた尾野弘樹は、背後の徳留を牽制しながら先頭でバックストレートを通過。勝負所のシケインでも徳留を抑え、トップのままゴールへと立ち上がってくる。この時点で誰もが尾野弘樹の勝利を確信していたはずだ。だがベテラン徳留は最後の逆転に賭け、シケイン立ち上がりで尾野弘樹のスリップに潜り込み、ゴール寸前で前に出た。両者の差はわずか0.097秒。ベテランの技にしてやられた格好の尾野弘樹は悔しい2位となった。一方で尾野郡司は、終盤に転倒が続く難しい状況下を走り切り、予選より4位アップの18位でレースを終えた。
 惜しくも2連勝を逃した尾野弘樹だが、終盤までトップを堅持していたことで自らの速さを存分にアピールした。これでランキング2位に浮上。残り3戦で逆転チャンピオンを狙う。尾野郡司、権藤も好調を維持しており、上位入賞が期待できる。バトルファクトリーでは全日本チャンピオン獲得を目指し、最終戦まで全力で戦います。


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