2009年5月26日
全日本ロードレース選手権第3戦
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尾野弘樹、待望の全日本初優勝!
早めの仕掛けが功を奏す
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2009年MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第3戦
スーパーバイクレースin九州
5月24日(日) 大分県・オートポリス(フルコース:4,674m)
天気 予選日:晴れ/決勝日:晴れのち雨
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GP125(マシン:ホンダRS125R)
ゼッケン3尾野弘樹 予選3位 決勝1位
ゼッケン26権藤俊光 予選16位 決勝14位
ゼッケン50尾野郡司 予選28位 決勝23位
ゼッケン44岩田吉正 予選22位 決勝16位
JSB1000(マシン:ホンダCBR1000RR)
ゼッケン36桐井有希 予選19位 決勝20位

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 全日本ロードレース選手権第3戦が、大分県・オートポリスで行われた。阿蘇の雄大な自然に抱かれるオートポリスは、起伏に富んだ難コースとして名高い。今回はアジア選手権と併催のためパドックでは外国語が飛び交い、さながら世界選手権のような雰囲気だ。
 金曜日から練習走行が始まったが、標高800mに位置するオートポリスでは朝から濃霧が立ち込め、午前中の走行がキャンセルされる事態となった。午後には走行が開始されたが、GP125クラスの走行時間はハーフウェットという微妙な路面状況であり、また1週間前のダンロップテストでマシンのセッティングも出ていたため、転倒のリスクを回避するためチームの判断で走行をキャンセルした。一方、JSBの走行はドライとなり桐井が出走した。今回、桐井はフロント周りに新パーツを投入して好感触を得ていたが、セッション中盤のピットイン直前に転倒して走行を終えることになった。桐井は右半身を強打したが、何とか走行は可能とのことだった。
 土曜の空は晴れ渡り、真夏を思わせるような暑さだった。GP125の予選は40分の1本勝負で行われ、尾野弘樹が好調ぶりを示してポールポジションを争った。最後のアタックで集団に引っかかったためポールは逃したが、3番手と初のフロントローだ。権藤はラストアタックで自己ベストを更新して16番手となり、尾野郡司は28番グリッドから決勝に臨む。
 JSBクラスは恒例のノックアウト方式で予選が行われ、前日の転倒でマシンを損傷した桐井は前戦で使用したマシンに戻して出走。第2セッションまで進出して19位で予選を通過した。
 決勝日はアジア選手権併催の影響で、JSBクラスの後にGP125が行われる変則スケジュールだ。快晴の中で行われた朝のウォームアップ走行では、尾野弘樹が一番時計をマークして好調をアピールした。
 先に行われたJSBの決勝では、19番グリッドから飛び出した桐井がスタートダッシュに成功した。朝のフリー走行で桐井がフロントブレーキに違和感を訴えたため、チームは決勝までにブレーキの全交換を敢行。それに応えた桐井は16位まで浮上してオープニングラップを終えた。しかしペースの速い集団の背後につけていた3周目、1コーナーでリヤタイヤを滑らせて痛恨のオーバーランを喫する。これで最下位付近まで後退した桐井だが、モチベーションは落とさず単独でチェッカーを目指した。終わってみればポイント圏内まで巻き返すことができたのは、上位の転倒に助けられた面もあるが、それ以上に勝負を捨てなかった桐井の姿勢と、サインボードエリアから後押したチームによるところも大きい。
 次に行われたGP125の決勝は、序盤から125ccらしい集団によるトップ争いが展開された。スタートこそ出遅れたが、乗れている尾野弘樹の勢いは止まらない。ぽつぽつと雨が降り始めた中、2周目に3位、3周目に2位とポジションを上げてくる。そして3周の間、先頭の菊池寛幸の背後につけた尾野は、6周目の1コーナーでトップを奪取する。結果的には、この早いタイミングでの仕掛けが功を奏する。次第に雨が強まって転倒者が相次ぎ、11周目に赤旗が提示される。規定により2周前の9周終了時でレース成立となり、その時点でトップに立っていた尾野弘樹が全日本初優勝となった。思わぬ形での勝利となったが、あのままレースが続いていても結果は変わらなかったはずだ。バトルファクトリーにとってもこれが全日本初優勝。チームはホームストレートに戻ってきた尾野弘樹を歓喜で迎え、尾野弘樹は満面の笑顔で表彰台の中央に立った。永友正監督は「尾野弘樹は開幕前から好調でしたし、優秀なメカニックを担当させましたので、今年は優勝してくれると思ってました。ただ目標は全日本チャンピオン、そしてそれ以上のところに置いています。まだまだ足りないところはありますし、これに満足せず今後も努力して欲しいですね。これがバトルファクトリーにとって全日本初優勝です。ご支援ありがとうございました」とコメントしている。
 権藤も奮起し、1周目は他車との接触で順位を下げたが、その後は右肩上がりで、ポイント圏内に浮上したところでレース終了となった。また尾野郡司も序盤のポジションアップに成功した。
 全日本3年目にして待望の全日本初勝利を手にした尾野弘樹。その間、チームとともに取り組んできた努力が今年、結実した。権藤、尾野郡司も今年に入って頭角を現してきている。JSBの桐井も確実にマシンを詰めており、今後が期待できる。今、バトルファクトリーは大きな追い風を受けている。このまま鈴鹿300kmレース、そして鈴鹿8耐まで一気に突っ走ります。


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